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鮎太


(鮎太さんの希望で私の方で抜粋しました。ぜひ上の文章を全部読んでみてください)


ぼくの母はかなり昔、特に父と別居するようになった2008年になってから、しつけのためと言って、スリッパや物差しのようなもので叩く、体を蹴る、子どもの持ち物を勝手に捨てるなどの虐待行為をすることがありました。僕は、小学4年の頃のある日、同級生とけんかしたことを理由に、「悪い子は出て行け」と言われて、8時間も家に入れさせてもらえなかったことを含め、何度か家から出て生かされることがありました。また、一度、母親が夕食を作っているとき、テレビを見ている僕に宿題をしなさいとか言って、包丁を向けたことがありました。他の虐待サバイバー写真展に載っている方の受けた暴力に比べれば、はるかにましなものですが。

母は子どもに平気で某両区を振るっていたのですが、逆に子どもが風邪をひいたときには看病してくれたり、旅行に連れて行ってくれたりと優しい面もありました。

母親は2013年に病気で亡くなり、父親のいる広島県に引っ越しました。母の暴力は、もう許していますが、ただ、もっと愛情が欲しかったな、と今でも思っています。

もし、僕に子供ができたら、母を反面教師にして、子どもに暴力を振るうようなことはせず、毎日、思いっきり抱きしめてあげたいです。


2018年1月に、大阪府の寝屋川市で33歳の女性が、親から20年以上劣悪なプレハブ小屋に監禁されたうえ、1日1回しか食べ物を貰えず、全裸にされて真冬の寒さの中で餓死したという信じられない事件がありました。両親は監禁罪と保護責任者遺棄致死罪で逮捕されたのですが、監禁罪の「時効」がたったの5年しかないことで、保護責任者遺棄致死罪と合わせても、両親はとてつもなく軽い刑になることが容易に予想されます。この事件がきっかけになって、僕は児童虐待を無くす活動を行っていきたいな、という気持ちに強く駆られました。

問題は言葉で解決するべきで、暴力や暴言を使うという手段はずるいことです。暴力というものは、コミニュケーション能力のない人がすることです。暴力や暴言は、問題の解決になりません。暴力を使っていいのは、正当防衛のときだけです。また、子どもにものを教える立場の親が、子どもに暴力を振るうという事は、子供に暴力を振るうという事は、子どもに暴力を振るうことは正しいことなんだと教えるようなものだと思います。


暴力は絶対悪であり、核兵器と同じように皆がこの世界から無くす努力をしていかなければならないものだと僕は思っています。

虐待サバイバー写真展

親からの虐待を経験し、それでも親の手から生きのびたサバイバー達の「生きている」写真を撮っています。 これから先の道に希望が満ちていくような願いを込めて作ったサイトです。 15人の被写体の方の応募は締め切っています。この後、虐待サバイバー写真展は、書籍化、実際の写真展に向けて動き出します。