折り返し
これまでに8人(組)の虐待サバイバーさんの撮影を行ってきました。
初めは何人の方が集まるか不安になりながらのスタートでしたが、思いの外早いペースで応募してくださる方がいらっしゃり、嬉しい反面、虐待サバイバーの絶対数の多さに驚きました。
とにかく誠実に、真っ直ぐに撮るということだけを考えて撮ってきました。被写体の方も色んなバックグラウンドや特徴があり、写真についても移り慣れている方やそうでない方もたくさんいらっしゃいます。あらかじめメディアに載るということを前提に勇気を出して応募してくださっているので、写す自分もその勇気に応えるつもりでした。
そういう双方の決意はありながらもあまり固すぎても緊張に緊張を上塗りするだけですので、実際の撮影はリラックスしてもらうことも考えながら挑んできました。
おしゃべりはあまり得意ではないですし、会話のキャッチボールも上手に投げ返せずご迷惑をかけることも多かったと思います。そんな中でも被写体の方も一緒になって良い雰囲気作りに参加してくださり感謝しきりです。
「虐待を生き抜いてきた」という共通項を持ったサバイバーさん達ではありますが、突っ込んだ話を進んでしたわけではありません。逆にあまり関係ない話が多かったように思います。季節の話や好きなアイドルの話、今のめり込んでいるものの話など、話したいことを自由に話し合うという感じでした。また、途中から言葉だけじゃなくて非言語の部分でも少しずつ柔らかい空気を作っていけるように自分なりに気をつけつつ時間を過ごしました。
肝心の撮影は、これはもう楽しいものでした。基本的にその方々の個性が一番よく出るようにあまり強く指示を出すことは控えました。積極的に表情やポーズを取る方や、緊張で固まる方、それぞれの自然体があると思うので、そのまま写したという感じです。少し手を斜めに、顔を右に、体を左に、くらいでしょうか。初めて会って、いきなりカメラを向けるという、あまりないシチュエーションの中、皆さん本当に色んな個性を表現してくださったと思います。
そこに表れてる表情や雰囲気はそのままのサバイバーさん達です。過去をなんとか生き抜き、今を迎えて「生きている」姿。笑顔で居られる人も、そうでない人も、様々な面持ちで写真に写っています。無理な笑顔?変なポーズ?それも含めて自分はありのままのサバイバーさんなので素敵だと思うし、かっこいいし、美しいし、生きているなぁと思います。逆に自分が写真を写す側としてもっともっと「生きている」を引き出せなかったか思い返すことが多いです。
「虐待サバイバー写真展」は目標15人(組)で一つの区切りとなる予定です。今、ちょうど折り返し地点に来ました。これからも募集は続けます。こちらのホームページをご覧になって応募したい方、気軽にメールをください。簡単な質問から撮影に至った方もいれば、難しいと思われる希望にもできるだけお応えする気持ちでいます。
メールお待ちしていますね!
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